体が動かなくなってしまう「生活不活発病」という病気は、高齢者の健康寿命と幸福度を大きく下げてしまう病です。充実した老後の人生を送るためには、避けたいところです。生活不活発病を予防するにはどうすればいいのでしょうか。
生活不活発病を予防するためにまずできることは、歩くことです。生活不活発病のほとんどは足腰の衰えが原因になります。足腰が衰え、体が動かせず、それにより心肺機能に負担をかけることが減り、内臓が弱まっていきます。生活不活発病は足から始まると言ってもいいでしょう。また有酸素運動であるウォーキングは、認知症予防やうつ病予防、免疫力の向上にも効果的です。歩く時間と量を意識して増やすといいでしょう。
歩く量を増やすにあたって、安全面を整えるようにしましょう。転倒によるケガで動けなくなってしまうと、それをきっかけに生活不活発病の沼にハマってしまうことになります。家の中の手すりや段差のチェック、お風呂場の床などが危険でないかなどの確認を行い、ケガのリスクを最小限にしましょう。また、足腰に不安定さを感じている人は杖の利用も考えましょう。
肉体的な面だけではなく、精神面でのケアも大事です。いくら体が動いても、その体を動かそうとする意志が無ければ意味がありません。体を動かす趣味や、楽しいと感じられる活動を見つけ、生活の中に取り入れるようにすると良いでしょう。「体を動かさなきゃ」ではなく「体を動かしたい」と思える環境づくりは重要になります。